一般的には介護施設が契約社員の募集を行うときには、現場で必要になった業務を担える人材を速やかに補充する目的がある。即戦力のベテランを短期的に起用して、現場をうまく動かせるようにするのが狙いだろう。介護業界でもこのような形で契約社員が募集されているケースあるが、他の業界に比べると少ないのが特徴である。

その理由は、介護業界では契約社員を起用する目的が、単純に人材確保であることが多いからだ。契約社員は期間限定であるため、介護業界に興味がある人や業界未経験者、長期勤務を希望していない人などにとっては、働きやすいというメリットがある。そのため、一時的にでも人手を確保したい施設は、契約社員を積極的に採用しているのだ。

一方、契約社員として働く側にとっても、契約社員は魅力がある。ブランクを抱えていても、契約社員ならあまり問題にはならないし、業界経験者なら重宝される。しかも、働きだしてその職場が自分に合っていると感じたら、契約の更新をしたり、正社員にステップアップできる可能性も秘めている。契約社員は正社員とは違い、福利厚生の恩恵が受けられなかったり、賞与がないといった点はマイナスポイントになるが、ブランクからの再スタートや異業種からの挑戦では、無理なく仕事が始められて、自分に合った仕事探しにもつなげられるのだ。したがって、契約社員としてとして介護業界で働くメリットとデメリットをきちんと調べて、転職や復職の足がかりにしてみてはどうだろう。